起業


バブル経済破綻後の日本は、明治維新後、さらにはホンダやソニーを産んだ昭和の戦後期についで第三の大きな起業の時代に突入している。
この間にも、ベンチャーの起業については、1970年代に日本ベンチャー・ビジネス協会が設立された頃の第一期ベンチャーブーム、1980年代にハイテクブームを背景にした第二期のベンチャーブームとあったが、2000年以降における起業の波は、グローバル化の進行、情報通信技術の発展(IT化)、既存企業の経営再構築(リストラ)によるサラリーマンの意識変化、政府による強力な規制緩和政策など、経済構造の大きな変化を背景とした本格的なものとなっている。
民間でも中小企業の起業リスクを軽減し、また経営業績を向上させるためにするなど支援するために経営ノウハウを提供する会社がある。
日本の学生は、生涯にわたり企業や官公庁に雇用されること (「就社」とも言われる ) を希望する者が多く、米国などのような国に比較すると起業を目指す若者が少ない。
日本人のもつ「寄らば大樹」意識、教育制度、教員の意識等に原因があるともいわれるが、起業家 ( アントレプレナー ) があらわれなければ、制度的、経営的に起業環境がととのえられたとしても、起業が活発になることはない。
起業(きぎょう)とは、自ら会社を興し、新たに事業を手がけること。
その担い手を起業家(アントレプレナー)と呼ぶ。
創業ともいう。
こうした状況において、起業家の排出に対応出来るような教育制度の改革が求められている。
起業に関する講座を開設したり、アントレプレナーコース ( 起業家養成コース ) などの専門課程を大学院に開設する大学も出ている。
起業して最も困難なものは資金繰りである。
起業してもわずかの企業しか存続できず、多くの企業が廃業する裏には、この資金繰りの問題がある。
資金の収支バランスがいったん崩れると、すぐに支払いに応ずることができなくなる。
弱小な中小企業は資金援助を受けることもままならず、繰り延べにもなかなか応じてもらえないので、倒産する企業が後を絶たない。
政府は、起業しやすい法制度とするため、当時存在した会社設立時の資本金規制について、サラリーマンなどの事業経営者以外の者が設立する際に限り資本金規制を緩和する等、いわゆる中小企業挑戦支援法とよばれる法整備を行った。
2006年5月には会社法が施行されたが、同法においては、資本金規制が完全撤廃されている。
文部科学省の調査によれば、起業家育成のための授業を新たに開設した大学は、国立30大学、公立12大学、私立97大学が数えられており、開設講座数は合計で330科目 ( 文部科学省「大学におけるカリキュラム等の改革状況について」 を参照) になっており、今後の教育成果に期待される。
起業の中でも独自な技術や高度なビジネスモデル、経営ノウハウを基盤とするベンチャーはハイリスク、ハイリターンといわれる。
ベンチャーの目標は株式公開(IPO)であり、成功すれば実りは大きい。
ベンチャーを起業する際に、経営スキルの向上のための起業家教育を受ける人もいるが、かならずしも必要というわけではない。
また、資金力のないベンチャーにとり、研究開発から製品化までに時間がかかるので、一定期間はインキュベーションのために資金援助や研究施設の提供を受ける。
産・官・学による起業支援体制は徐々に整いつつあるが、まだ十分とはいえない。

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