アメリカ
アメリカでは医療保険制度が日本とは異なり、病気になると日本と比べて高額な医療費が必要となるため、日頃からの健康の維持に大きく関心が割かれ、薬よりも安いものも多いサプリメント 通販が幅広く普及している。
また、「健康の自由運動」(:en:Health freedom movement)という、食品の効能の表示の自由や、サプリメント 通販の使用の自由を健康のために求める運動が活発である。
1910年代にビタミンが発見され、その後サプリメント 通販として消費されるようになった。
1938年、食品・医薬品と化粧品法 (Food, Drug, and Cosmetic Act) が制定され、ラベル表示の誇大表現が取り締まられるようになった
[マリオン・ネスル 『フード・ポリティクス-肥満社会と食品産業』 三宅真季子・鈴木眞理子訳、新曜社、2005年。ISBN 978-4788509313。284-287頁]。
1950年代に、アメリカ食品医薬品局 (FDA) が強硬姿勢をとるようになったため、サプリメント 通販産業はNHF(全国健康連盟::en:National Health Federation)を組織しロビー活動を開始する
。
1962年、FDAはサプリメント 通販の表示ラベルに欠乏症でない場合には必要ないと表示するよう提案をしたが、NHFから4万通の抗議の手紙が届く
。
1966年、FDAは1962年と同様の提案をもう少し弱めた表現で求めたが、今度は200万通以上の抗議の手紙が届いた
。
1976年、食品・医薬品と化粧品条例が改正され、サプリメント 通販を医薬品に分類することが禁止された。
1980年代には、ロック・フェスティバルやレイヴでスマートドリンク (:en:Smart drink) と呼ばれるビタミンやアミノ酸などが配合されたドリンクがアルコール飲料の代わりに飲まれたが、FDAはスマート(頭がよくなるという意味)という言葉を使用しないよう警告した
[B・ポッター、S・オルファーリ 『ブレイン・ブースター-頭をよくする薬、ビタミン、栄養素、ハーブ』 オークラ出版、1999年10月。ISBN 978-4872785203。131-133、176-177頁。原著:''brain boosters'' 1993]。また、この頃に生活習慣病と食事の関係がわかって食生活指針が策定され、こうした背景が今度は食品の効能表示を増やしていく。
1990年、栄養表示教育法(NLEA:Nutrition Labeling and Education Act)が策定され、食品やサプリメント 通販と病気予防の関連について申請し科学的根拠があると認定されたものについては、申請者でなくても効能を表示できるようになった。
また、同じ1990年には『頭のよくなる薬-スマート・ドラッグ』
[ウォード ディーン、ジョン モーゲンサーラー 『頭のよくなる薬-スマート・ドラッグ』 第三書館、1994年5月ISBN 978-4807494071。原著 ''Smart drugs & nutrients'' 1990](原題、''Smart drugs & nutrients'')が出版され、スマートドラッグがマスコミで話題になりFDAの監視が強くなる
[B・ポッター、S・オルファーリ 『ブレイン・ブースター-頭をよくする薬、ビタミン、栄養素、ハーブ』 オークラ出版、1999年10月。ISBN 978-4872785203。196頁。原著:''brain boosters'' 1993]。
1992年、NLEAに伴ってFDAのサプリメント 通販のラベル表示の規制が進められようとしていたこの時期に、栄養療法を行っていたジョナサン・V・ライトのタホマ・クリニックに武装したFDA職員が押し入ったことが「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された
[B・ポッター、S・オルファーリ 『ブレイン・ブースター-頭をよくする薬、ビタミン、栄養素、ハーブ』 オークラ出版、1999年10月。ISBN 978-4872785203。193-194頁。原著:''brain boosters'' 1993
]
・マリオン・ネスル 『フード・ポリティクス-肥満社会と食品産業』 三宅真季子・鈴木眞理子訳、新曜社、2005年。ISBN 978-4788509313。303-305頁。FDAはそこで使われている製品の安全性を懸念していたと弁解したが、サプリメント 通販が医薬品として規制されるかもしれないという世論ができて反対活動が起こった
。
1992年、『頭のよくなる薬』のジョン・モーゲンサーラーは『''Stop the FDA:save your health freedom''』を出版して健康の自由を訴えた。オリン・ハッチ上院議員は健康の自由法(Health Freedom Act)の法案を提出したが、却下された。
1993年、FDAは「頭がよくなるということで承認された薬や食品はないので、このようなものが販売されないように動いている」ことを発表する
[Using (英語) (FDA)]。NHF主導によって抗議活動が行われ、FDAに何十万通もの抗議の手紙が送られ、健康の自由をめぐって抗議活動が続いた
[マリオン・ネスル 『フード・ポリティクス-肥満社会と食品産業』 三宅真季子・鈴木眞理子訳、新曜社、2005年。ISBN 978-4788509313。311-313頁]。
1994年、アメリカの連邦政府は「栄養補助食品健康教育法」(ディーシェイ、DSHEA:Dietary Supplement Health and Education Act)を可決し、サプリメント 通販を「ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸のいずれかを含み、通常の食事を補うことを目的とするあらゆる製品(タバコを除く)」と定義し、サプリメント 通販にわかりやすいラベル表示を義務付けた。
サプリメント 通販は、食品、医薬品とは異なるカテゴリーにある。FDAの定義ではサプリメント 通販は医薬品など治験により効果を実証されたものとは異なっているため、病気を治療するという主張はできない。しかし、DSHEAでは科学的根拠がなくてもなんらかの証拠があれば効能を表示できることになっており、医薬品ほどに厳しい品質基準を維持する義務もないため、製品の品質のばらつきも許容されている。このため効果を連想できるような表現が用いられる。DSHEAでチラシやパンフレットをラベルとみなすことを禁じ、FDAは製品の文面を製品ラベルとみなすように規定されている。パンフレットや書籍その他の広告は連邦取引委員会 (FTC)が監視しているため、広告に関しては製品ラベルより規制が緩い。
また、DSHEAでは製品を発売する前に医薬品の治験のようにその成分の安全性を確認する必要はない。FDAは自ら定めた基準に基づき安全性に問題があると見られる製品について市場追放命令を出すことができる。FDAは商品製造工場や販売メーカーへの抜き打ち検査や消費者からのクレームの処理を行っている。詳細にわたって管理を行うとともに、基準に達していない場合や許可時と異なった配合などを行った場合には、製品の販売停止・業務停止を執行できる権限をもつ。故に、アメリカの栄養補助食品は日本国内で生産される製品に比べると、公的機関に「見張られている・晒されている」確率ははるかに高い。これに対し、日本国内で製造される栄養補助食品は、事故が発生しない限り製造中止に追い込まれる確率は少ない。FDAはこれら指導を行った内容についてインターネット上などで詳細な報告を行っており、消費者もそれらを容易に確認することができ、それら資料を購入前の判断の一つとして利用することが可能である。
アメリカ国立衛生研究所のODS(Office of Dietary Supplements) がDSHEAによって設置され、サプリメント 通販のデータベースの公開や、査読制度のある雑誌の研究を基に有効性のあるサプリメント 通販に絞って報告書「Annual Bibliography of Significant Advances in Dietary Supplement Research」
[Annual (ODS - Office of Dietary Supplements)]を作成している。
1997年、世界中のビタミンの価格に関与しているビタミン業界による価格カルテルが発覚した、刑事罰による罰金が全米史上最高の10億ドルとなった
[Tearing (The New York Times, October 10, 1999)]。
2004年11月、これまで効能表示の根拠の基準はなかったが、その基準が発表された。
2007年6月、不純物や有害物質の混入を防ぎラベルどおりの内容物を含むというCGMP(Current Good Manufacturing Practice)
[FDA (英語) (FDA)]のラベル表示が義務付けられることが決定する。従業員規模によって猶予期間は2008〜2010年までとなる。